離婚協議書を公正証書にする

 

「公正証書」って言葉は耳にするけど、何?

「公正証書」とは、公証人が法律に従って作成する公文書のことをいいます。
公証人というのは裁判官や検察官、弁護士など、実務を経験したことのある法律の専門家の中から、法務大臣によって任命された公務員です。
つまり、「公正証書」というのは、法務大臣によって任命された法律の専門家によって作られる、法的な力を持つ文書です。

公証人は全国各地の「公証役場」(場所によって「公証人役場」「公証センター」などの名称がついていることがありますが、いずれも同じものです。ここでは「公証役場」で統一します。)
というところで働いています。

各地の公証役場の所在地はこちらで確認できます→全国公証役場所在地一覧

 

離婚において公正証書を作ることのメリット

1.裁判の手続きなしで強制執行ができる

強制執行とは、金銭の支払いがなされない場合、相手の財産を差し押さえるなどして、強制的に支払いを促すことのできる制度です。

約束したのに金銭を支払わない、というのは支払いをしない相手が悪いことではありますが、だからといって個人が勝手に相手の財産を差し押さえるなどすることはできません。強制執行するには、それなりの手続きを踏む必要があるのです。
ふつう、金銭の支払いについての契約の場合、裁判の判決があって初めて強制執行ができるのです。

ところが、公正証書があれば、裁判をすることなく強制執行の手続きをすることができます。もちろん公正証書の条文の中に、強制執行のできる旨を記載する必要がありますが。

離婚の場合、未成年の子供がいる場合には養育費の取り決め、財産分与、場合によっては慰謝料の取り決めもなされるでしょう。

特に養育費の場合、長年にわたって支払いが行われますので、最初の数カ月は支払いが行われていたものの、次第に支払いが滞りがちになり、やがて全く支払われなくなってしまった、などという事態が起きないとも限りません。
そんなとき、公正証書があれば、例えば、相手の給与を強制的に差し押さえ、そこから養育費の支払いをしてもらうこともできるようになります。


2.相手にとってのプレッシャーになる

公証役場に出向いて、法律の専門家が第三者的な立場で書面を作ってくれるのですから、支払いを約束した相手にとって、プレッシャーになるはずです。

公正証書を作ると、原本を公証役場が保管します。ですから「そんな約束はしていない」ということは絶対に言えなくなります。


3.安心感が違います

もちろん夫婦二人だけで作成した「離婚協議書」も、文書としてきちんとしたものですから、後々の「証拠」としては有効です。
ですが、

・裁判の手続きなしで強制執行ができる
・公正な第三者の作成による文書であるので証拠能力は絶大
・相手にとってプレッシャーになる

という点を考えてみたとき、「離婚協議書」は一歩進めて「公正証書」にするのがいいことは一目瞭然ですね。

 

誤解しないでほしいこと

1.公証人が養育費や財産分与の額などを算定してくれるわけではない

公証人は法律の専門家なので、公証人にアドバイスをもらって、養育費などを決めて、それから公正証書を作成してもらおう・・・

これはダメです。
公正証書は夫婦の合意したことを記して作成するものだからです。

公正証書を作るときは、すべての取り決めがすでになされている必要があります。

 

2.公証人はもめ事をとりもってくれない

公証人って、法律の専門家なんでしょ?それなら、私たちの意見の食い違いを何とか解決して、公正証書を作ってくれませんか?

これもダメです。
1.にも書いた通り、公正証書は夫婦の合意を文書にするものです。だから、公証人がいくら法律の専門家であるとはいえ、問題を解決するのは公証人の仕事ではありません。
ご夫婦でよく話し合って、お互いに納得のできる取り決めがなされたあとで、公正証書を作ってください。

 


「離婚協議書」を「公正証書」にすることのメリットは、おわかりいただけたでしょうか。
多少の手間と時間、金銭がかかりますが、後々の安心を買うのであれば、「公正証書」を作成しておくことをお勧めします。


当事務所でも、公正証書作成のご相談に応じております。

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   ℡ 076-255-2822 


2017年01月15日|ブログのカテゴリー:離婚協議書